山寺 [旅行]
山形へ行ってきました。
最大の目的はサッカー観戦でしたが、
最近では、行った先の観光地や博物館で、
その土地の歴史を勉強することも楽しみの一つになっています。
山形の観光地といえば、山寺が有名。
スタジアムのある天童からも近いので、
足を延ばしてみました。
まずはJR山寺駅からスタート
正面の古い建物が山寺ホテル。
背後の岩がむき出しの山が宝珠山。
お寺はこの山にあります。
ここが山寺の登山口
山寺は860年(貞観2年)、
円仁(慈覚大師)によって開山されたとされる、天台宗の古いお寺です。
正式名は、宝珠山立石寺(ほうじゅさんりっしゃくじ)です。
江戸の俳諧師、松尾芭蕉が尾花沢の人々に薦められ
行程を変更し、この寺に立ち寄り、
閑さや 岩にしみ入 蝉の声
の句を思いついたことで有名です。
では、スタート
階段を上ると、まず現れるのが、立石寺の根本中堂。
重要文化財に指定されている、木造の建物です。
そのおなかを撫ぜると、幸せになるという招福布袋さん。
おなかの部分は手の油でテカテカ。
境内にある芭蕉の像。
右は芭蕉と行動を供にした門人・曽良(そら)の像です。
深川の芭蕉庵にも芭蕉の銅像がありますが、
顔が全然違いますね。(笑)
修行道場だった念仏堂。
この建物も古い。
こちらも重要文化財です。
ここが山門
さあ、登りましょう。
しかし、暑いな。
もう汗でぐっしょり。
ここは、道が狭くなっている四寸道という場所。
老人も子供も通るので子孫道とも呼ぶそうです。
ちなみに4寸とは約14センチです。
はあ、疲れたとお年寄りが休憩する場所にあるせみ塚。
芭蕉が「しずかさや~」の句を思いついたとされる場所です。
芭蕉が山寺を訪れたのは、1689年(元禄2年)7月13日の夕方
と言われています。
当初は、「山寺や岩にしみつく蝉の声」と詠んだのを、
のちに推敲し、
「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」になったのだとか。
昭和初期には、その蝉がアブラゼミかニイニイゼミかで、
大論争が起きたそうです。
軍配は「ニイニイゼミ」に上がったそうですが、
こういうオタクな興味をもたれるのは、スターの証明です。
奇岩のある中腹まで上がってきました。
上の写真は、「弥陀洞(みだどう)」と呼ばれる大きな岩。
風雨で阿弥陀如来の姿に削られたとされる岩で、
見上げて仏の姿が見えれば幸福が訪れるのだとか。
そういえば、なんとなく・・・。
やっと仁王門まで来ました。
まだ上があります。
登って、登って、ここが終点。
大仏殿と奥之院です。
ここは撮影禁止。
ふぅ~、暑い暑い、、、
7月に登ったという、芭蕉も暑かったでしょうね。
奥の細道では、芭蕉は爺さんのイメージですが、
当時45歳だから、私より年下。
忍者だったという噂もあるし、
そうならば、スイスイ上ったに違いありません。
空に浮かぶ、納経堂と開山堂
さらに奥へ行って舞台になっている五大堂
ここからの眺めは最高です。
おお、山寺駅があんな下に見えます。
それにしても、危ない場所で修行していたんですねェ。
下山すると、並んでいる売店が三つ。
売っているものはほとんど同じですが、
微妙に値段が違うのが面白かったです。
汗だくになって食べる玉こんにゃくは旨い。
新しい発見です。
おまけは
ご当地キティ。奥の細道バージョン。
もしかして、
横にいるのが門人の曽良ですか?
また、ずいぶんかわいい曽良だこと。
最後は、駅を挟んで山寺の反対側にある「山寺芭蕉記念館」
芭蕉と山寺とのかかわりがよくわかります。
クルマでいらっしゃる方は、
ここで芭蕉と「おくの細道」について勉強してから
山寺を上る方がいいかもしれませんね。