市ヶ谷 陸軍士官学校 [タイムスリップ]
100年前の東京の写真の現場へ行ってみよう、という
タイムスリップ定点比較シリーズ。
最近は学校めぐりをしています。
今回は市ヶ谷の陸軍士官学校。
学校のあった場所には、現在、防衛省があります。
最近、NHKの「ブラタモリ」が人気だそうで、
確かに街を歩いていると、高価なカメラを構えるオヤジや、
リュックを背負った熟年夫婦とよくすれ違います。
街歩きは安上がりだし、
古地図を持ってのお散歩もちょっとしたブームになっているようです。
先日、その番組の中でタモリさんが
「土地の記憶というものがある」と言っていましたが、
全く同感です。
今回の写真もそう。
すぐにどこかわかりました。
新宿通りを東へ走り、四谷見附の交差点を左折、
外堀通りを市ヶ谷駅の方へカーブしようとすると、
必ずといっていいほど、写真の場所で信号に引っかかります。
この信号、確か長いんですよ。
ここをクルマで通過した経験のある人には、
結構、共感していただけるのではないでしょうか。
信号が青に変わるのを待ちながら目に焼きついてしまう景色は、
100年前と、フレームが同じです。
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陸軍士官学校は、明治元年 京都に設置された兵学校が前身。
写真の士官学校は明治8年(1875年)から
とのこと。
かつて将校にあこがれ、この坂を降りた人たちがいたわけです。
日本はこういう歴史をうまく消化できないまま
21世紀になってしまったように感じます。
さて、市ヶ谷も由緒ある坂の多いところ。
ちなみに、下の写真は四谷3丁目から靖国通りへ下る坂。
全勝寺というお寺の地所を切り開いて新たに作ったので
「新坂」と呼ばれています。
江戸時代、このあたりは一帯杉林だったそうですが、
現在はほとんどが切られ残っていないようです。
近くには、江戸時代の監獄のあった場所もあるし、
散歩のし甲斐があるところですね。