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身元保証人という監督業 [雑感]

この4月から娘が社会人になりました。

先日、会社に提出する書類を書いている姿を見ながら、

あー、いよいよ私の親の仕事も卒業かぁ~。

あとは生物として年老いていくだけかぁ~ 。

はァ~。

と、感傷に浸っていたら、

署名してくれと一枚の書類を渡されました。

身元保証書

そうか!まだこれがあったか。

娘は私に似ていいかげんなところがあるし、
ぎりぎりまで行動を起こさず追いつめられるところも私そっくり。

まあ、困った時は絶対に自分一人で物事を解決しようとするな、
と言い聞かせているし、
バカなことはしないと信じていますが、
可能性が0になるわけではありません。

身元保証書を読むと、保証する期間が記載されていないし、
責任の範囲もよくわかりません。

本来、社員が不正をしないよう、
抑止力としての性格が強い文書とわかってはいますが、
保証する側としては気になるので、少し調べてみました。

「身元保証に関する法律」

昭和8年に施行されたという古い法律があるんですね。
まったく知りませんでした。

この法律によれば、

1.期限が記載されていない場合の有効期間は3年

2.損害が発生したときの賠償金額は単純な損害額ではなく、
裁判所が使用者に過失はないかなどそれぞれの事情を加えて決める。
実質的には無限責任にはならない。

3.使用者は被用者の任務や任地変更など、
身元保証人の負担が重くなったり監督が困難になる場合は、
身元保証人に通知する義務があり、身元保証人はその通知を受けた時点で、
将来にわたって契約を解除することができる。

なるほど。

世の中のほとんどの人は、
こういう法律があることすら知らないまま、署名捺印してますよね。

特に、任務や任地変更の時に通知が必要だということは、
企業の人事部でも知らないという人が多いのではないでしょうか。

でも、正直、

これくらいのリスクは企業で取ってほしいですよね。
金持ちの男が、貧乏な結婚相手の娘の親に保証書を書かせるようなものでしょ?

採用される社員にとっては、いくら拒否する権利があると言っても、
企業側に採用取消権がある以上、黙って提出せざるをえません。
厳しいところになると、親以外を含め2名の身元保証人を要求する会社があります。

親に先立たれ、身元保証人がいなくて、
恩師に頼みこむなどという話もよく聞きますよね。

本人が真面目に働けばいいんだよ、

そう言ってしまえばおしまいですが、
中には社員に犯罪まがいのことをさせて、
組織は守るとんでもない会社もありますからねェ。
身元保証人に突然災難が降りかかってくる可能性がないとはいえません。

第三者の保険証券を企業に差し入れる制度もありますが、
日本では一般的ではないし、
ならば、住宅ローンを組む時に申し込む団体の生命保険のように、
給料から何がしかの金額差し引いてもいいから、
企業が保険かけときゃいいじゃないか、
とか思います。

親だから、娘の身元保証人になるのはやぶさかではありませんが、
私は、身元保証人という制度は、フェアじゃないし、
人の温情につけこんだよくない制度だと思っています。

さらに、社会人になって独り立ち!みたいなことを言いながら
引き続き、親に監督させよういう魂胆!
この、自分でリスクテイクしない思考停止のプロセスが気に食わないのです。

世界で競争していかなければならない日本の企業が、
いつまでもこんなことを続けていていいのか!!

て?

脱線しそうなのでやめておきます。

 

というわけで、

親という監督業を3年間延長しました。


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