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子供にケータイを持たせるな? [雑感]

5月26日に公表された、政府の「教育再生懇談会」の報告書が話題になっていますね。

小中学生の携帯「ダメ」→「持つことがないよう協力」(5月26日 朝日新聞) http://www.asahi.com/digital/mobile/TKY200805260316.html

教育再生懇談会 「これまでの審議のまとめ」(PDF) http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku_kondan/matome.pdf


要は報告書のこの部分です。



1 子供を有害情報から守る  

・携帯電話利用についての教育を推進し、必要のない限り
小中学生が携帯電話を持つことがないよう
保護者、学校はじめ関係者が協力する。

・小中学生が持つ場合には、通話機能等に限定したものが利用されることを推進する。
機能を限定した携帯電話の開発と普及に携帯電話事業者も協力する。

・小中学生の携帯電話のフィルタリングの在り方について、今後、更に検討する。



『小中学生が携帯電話を持つことがないよう』

「必要のない限り」と頭についていますが、この考え方には異論があります。


まず、第一に実効性がないですよね。

自分の経験を書きますと、
長女が中学生の時、「あんなものは不良のもつものだ。」と主張し、
頑として、ケータイを持たせませんでした。
この報告書の模範的な保護者ですよ。

親に隠れて外部と連絡できる手段を危険と感じていたこともありますが、
自分がケータイに無知で、管理能力がゼロだということが最大の不安材料でした。

当時はまだ、同級生にケータイが行き渡っておらず、
外圧がそれほど強くなかったことも、
頑固オヤジでいられる理由の一つだったと思います。

でも、これは20世紀のお話ですよ。

次女が中学に慣れたころは、もう21世紀。
今度は抵抗できませんでした。
すでにケータイが女子中学生の必須アイテムになっており、
持たせないで子供が仲間外れになるリスクの方を考えてしまいました。

こうなったら、もう親としてもケータイに無知ではいられない。
ケータイ一家になるべく、方針変更。
おかげで、私も鈍いながらメールが打てるようになりましたよ。

あと、災害時のことを考えると、親としては、子供にケータイを持っていてほしいと思います。
その場で通話ができなくても、後で連絡が入れられるメールという機能は災害時に必要だと思います。

もし、今、私の子供が中学生だったら、ケータイを持たせますね。




もう一つ、この報告書にはもっと気に食わないところがあります。
それは、リスクマネジメントを放棄していると読めることです。

これは、日本の教育全般に言えることですが、
なにか問題が発生すると、そのリスクに立ち向かおうとせず、回避してしまう点です。

小中学生がケータイを持つとロクなことにならないから、持たせるな!
これって、一番安易な対応策ですよね。

本来なら、ケータイという便利な道具を全員に持たせ、
正しい使い方、こうしたら自分の身が危なくなるよ、
とリスクをキッチリ教えるべきなんですよ。
それが教育ってものだと思うのですが。

子供を無菌状態に置いておき、
一定の年齢になったら、いきなりバイ菌だらけの世界に送り出す。
これが、教育と呼べるのでしょうか?

ギャンブル、借金、クレジットカード、ウェブサイト・・・

みんな、社会問題になりましたよね。

でも、競馬で頭を使うことが悪いことだとは思わないし、
借金しないで家が買える人なんてほんのわずかだし、
海外へ行けばクレジットカードを持っていないと不便だし、
ウェブサイト経由で世界中の同じ趣味の友人を見つけることができるし、

みんな諸刃の剣ですよ。


こういう仕組みを、実はほとんどの大人が理解できていない。
自分が無知だから、逃げたくなるのもわかります。
でも、逃げていけないのですよ。

報告書の、

「携帯電話利用についての教育を推進し、必要のない限り小中学生が携帯電話を持つことがないよう、保護者、学校はじめ関係者が協力する。」 は、

たとえば、
「携帯電話利用についての教育を、保護者、学校、企業、マスコミはじめ大人全員が協力して推進する。」 

こうしなければいけないと思うんですよねェ。

「教育再生懇談会」と言いながら、
「教育の再生」ではなく、「教育からの逃避」に読めてしまうのは私だけでしょうか?
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