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裁判員制度スタート1年前 [雑感]

来年、2009年5月から裁判員制度がスタートします。

21日はそのちょうど1年前に当たるということで、
この「裁判員制度」を取り上げたニュースや記事が目につきました。

スタートはまだ先の話だとたかをくくっていましたが、
裁判員候補者に通知書が発送されるのは今年中とのこと。
意外と時間が少ないんですよね。

ところが、スタートまであまり時間がないのに、
私も、私の周りにいる人たちも、
制度の内容をよくわかっていないのが実態です。


最新号の「週刊ダイヤモンド」(5月24日号)に
「裁判員制度」についての記事が載っていました。
これ、お薦めです。
大変わかりやすいです。

いい機会なので、この記事をテキストに、
裁判員の仕事が自分の身に降りかかったとき
のことについて考えてみました。


1.裁判員制度とは?
「国民の代表者が裁判員として裁判に参加し、
被告人が有罪であるか無罪であるか「事実認定」を決めたり、
有罪の場合はどのような刑にするのか「量刑」を決める制度。」

なるほど、
でも「事実認定」「量刑」と、言葉はわかるが、
正確な内容については勉強しないといけません。

2.対象となる裁判は?
地方裁判所(第一審)で裁かれる刑事裁判で、
中でも国民の関心が高い重大な事件。
2006年で見ると対象事件が311件になる。。

「全国で」311件だから、数はそれほど多いとは言えませんね。
ただ、殺人、傷害致死、強盗致死、危険運転致死など、
対象のうち3割以上が、「死人が出た」事件だとのことですから、
正直気が重いですね。
特に注目される事件の場合、相当なプレッシャーになりますよ。
さらに、被告がマル暴関係だったりしたら、
別の意味で大きな精神的負担が発生しそうです。

ただ、一審というのが救いかもしれません。

3.裁判員に選ばれる確率
ひとつの裁判について選ばれる裁判員は6人。
裁判官3人と9人でチームを編成する。
国民が1年間で裁判員に選ばれる確率は4160分の1。

味の素スタジアムの来場者プレゼント並みの確率だから、簡単には当たらない・・・
と思ったら「1年間」に4160分の1でしょ?
これを20年間に引き直したら、208分の1?
辞退する人がいるはずだし、
学校の週番ほどではないが、確率結構高いんじゃないすか?

しかし、私の周りの人、誰に聞いても「やりたくない」「辞退したい」
と言っています。

4.裁判員を辞退できるか
裁判員は、20歳以上の有権者のなかから、くじにより選出される。
毎年12月頃までに、「裁判員になるかもしれません」という趣旨の通知が送られてくる。
この時点で辞退できる人もいる。

国民の義務ですが、事情があれば辞退できるそうです。

5.辞退できる基準
①70歳以上、
②地方公共団体の議会の議員(会期中)、
③常時通学を要する過程に在学する学生・生徒、
④一定期間内に裁判員や検察審査員になった人や裁判員候補者として裁判所に来た人、
⑤その他の辞退理由(事業上の重要な用務の処理、重い疾病・傷害、同居親族の介護、養育、親族の結婚式への参加、妊娠中など)

①~④はハッキリしていますが、問題は⑤
「その他の辞退理由」という基準ですね。

「同居親族の養育」で、学校に通っている子供がいる母親などは
辞退が可能になるそうです。
でも、そうなると学校に通う子供を持つお母さんは逆にほとんど参加しなくなるのでは?
問題はサラリーマンのオヤジ。
「事業上の重要な用務」って何?

本誌によれば、決め手は「代替性」だそうです。
すなわち「他の人に自分の仕事を肩代わりしてもらえるか」
で、「代替性」を判断する材料は六つ

①業務遂行の体制、②業務範囲の広さ、権限の大きさ、③求められる専門性、④繁忙時期との関係性、⑤代替者にかかるコスト、⑥求められる本人性 

要するに、自分がいないと会社に損失が出るような場合ですね。
実際は、自分がいなくても仕事は回る。
へたすりゃ、いない方が仕事がはかどると部下に陰口を言われている。
それでも、「私がいないと会社の仕事が回らないんですう。」
と訴え、辞退しようとするオヤジがいそうです。
簡単に辞退させてくれないだろうな。

裁判員になるのは国民の義務だし、
頭を切り替えて裁判員制度に前向きになるべきなんだけど、
心配なことも多いです。

6.呼出状
裁判員候補者に通知が送付されたその翌年、
重大事件が起訴されると、各地の地裁は裁判員候補者のなかから、
くじで1事件当たり50~100人の候補者を絞り込んで「呼出状」が送付される。
これが裁判の6~8週間前。

この6~8週間はいや~な期間ですよね。

7.選出されるのは裁判当日
裁判員は6人、選出されるのは裁判当日。
事件の利害関係者じゃないか確認後、再び抽選。

ここで選にもれれたとき、裁判員に前向きだった人は、
仕事の日程調整までして外れてガッカリだけど、、
逆に、ガッツポーズして帰る候補者がいそうだ。
でも、それって変だよな。

8.裁判員席
裁判員の両脇に設けられた一段高い裁判員席で
被告人を見下ろしながら、起訴状や被告人の話を聞く。

これはビビりますね。
私の場合、とても平常心ではいられないと思います。
緊張して、逆に眠くなるかもしれない。

9.審理
審理の証拠調べ手続きでは、証拠の死体写真などを見せられる。

いきなり残虐な写真を見たら、気分が悪くなりそうです。

10.評議
取り調べられた証拠に基づき、被告人が有罪か無罪かの
「事実認定」と、有罪ならどの「量刑」が妥当か論議。

いろいろな問題が起きそうです。
 ① 裁判官等により意見誘導される。
 ② 世論の影響により、初めに結論ありきとなる怖れ。
 ③ 流されるだけで意見を言わない裁判員
 ④ 自己主張の強い裁判員による評議の混乱。等々

一部には、世論の影響で、刑の厳罰化が進むのではないかという見方がありますが、
裁判にシロウトである裁判員が、実際に死刑だと意見を述べることができるのか疑問です。
オヤジの飲み屋の会話とはわけが違うし、
専門家の意見に裁判員がなびくことが多くなりそうな気がします。

いずれにしても、裁判員にはそれなりの知識、見識と
強靭な神経が必要です。
というか、裁判員は

「やりたくない」と逃げる国民には
やらせてはいけない仕事なのではないでしょうか。

裁判員を務めれば、きっと人生における「いい経験」になるでしょう。

でも現状、不安だらけ。
裁判員のメンタルのケアだけはしっかりやってほしいと思います。


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