大久野島へ行く 前編 うさぎの楽園 [旅行]
瀬戸内海に浮かぶ小島。
大久野島へ行ってきました。
広島でサッカー観戦をした翌日、
帰りのフライトまでの時間をどう使うか、
いろいろ情報を集めているうち、
広島空港から割と近いところに、面白い島があると聴き、
行ってみることにしました。
早朝広島を出発、
広島駅からJR呉線に乗り、
フェリーが出る忠海駅まで約2時間、各駅で移動。
JR呉線は日本有数の絶景路線だそうで、
天気が良ければ、青い海に浮かぶ瀬戸内海の島々が望めたはずなのですが、
生憎の雨。それもどしゃ降りでした。
忠海駅に到着。
駅からフェリー乗り場までは、南に向かい、
コの字を描きまがら、JR呉線の踏切を渡り、
10分ほどで到着します。
ここから、大久野島へ渡ります。
島へは客船とフェリー、どちらでも渡れますが、
フェリーはその先の大三島まで行くクルマ用で、
大久野島へはクルマで乗り入れできません。
私が乗船したフェリーは、
大久野島にある唯一の宿泊施設である
国民休暇村へ合宿に行く地元の高校生たちと一緒でした。
聴けば、この日忠海は「宮床まつり」という祭りだそうで、
地元の祭りの日に合宿に行かすとは、
随分と野暮なことをする学校だと思いましたが、
もしかしたら、祭りで悪さをしないよう、
隔離するのかもしれませんね。(笑)
引率している先生は、お見かけしたところ、
言うことは厳しいが、根は優しい
いい先生という印象でした。
顔が元阪神の佐野にそっくりでした。
そんな、高校生の一団に混じり、
忠海を出て約15分。
大久野島に到着。
さて、この大久野島ですが、
この島は、光と影と呼ぶべき、二つの顔があります。
一つは、この島が「うさぎ島」と呼ばれる理由。
至る所に野生のウサギがいる、
ウサギの楽園の島 という顔です。
桟橋に着いて、島に降り立つと、
すぐに、ウサギたちが出迎えてくれます。
やたらと、人懐っこい。
人間をみつけると、つかつかと寄ってきて、
二本足で立ち、
前足をプルプルとさせ、
なんかちょーだい とポーズをとります。
それが、信じられないくらいカワイイ。
激しい雨が降っていましたが、
こりゃおもしろそうだわいと、
可愛いウサギたちを観察しながら
周囲4キロほどの島を散策することにしました。
大久野島には、放し飼いのウサギが約700羽いるそうです。
1971年に、島の外で飼われていたウサギ8羽を、
この島へ放したところ、繁殖し、今の数になったとのですが、
戦前から実験用に飼育されていたウサギが野生化したのではないか、という説もあるそうです。
しかし、そんなことは、どうでもいいや。
とにかく可愛い。
特にウサギ好きでない私でさえ、
この前足プルプルの立ちポーズには、
癒されました。
島は肉食動物の持ち込み不可。
犬は一匹もいません。
天敵がいない。
ウサギたちが道路に出てくるため、
許可されたクルマ以外は島に入れないなど、
ウサギたちは、手厚く保護されています。
島唯一の宿泊施設である国民休暇村に隣接する
広場や前庭では、
ウサギたちがコロコロと遊んでいました。
下のウサギ君は、
ネットの向こうでしばらく私を見つめ、
「ネットでこっちに来れなくて残念だね」
とからかったら、破れ目からするりと抜け出てきました。
意外と賢い。
とにかく、人間を見つけると、
「食い物にありつけるぞ、行けー!」
てな感じで、何処に行っても
ウサギたちが走り寄ってきます。
また、彼らを観察していると、
いろいろな性格をしたウサギがいて、
遠慮がちに食べ物をくれと云うやつ、
やくざのように、くれよと迫ってくるやつ、
あきらめてすぐにスタコラ引き上げるやつ、
二本足でいつまでも立ち続けるあきらめの悪いやつ
いろいろです。
ちなみに、こいつは、「紋次郎」と命名しました。
島を、30分も歩くと、
何処にいてもウサギがくっついてくるので、
さすがに鬱陶しくなってきます。
しつこい呼び込みをよけながら歩く繁華街を歩いているような
仕舞いには
おまえらは、ウサギとしてのプライドはないのか!!
そう呟いていました。
(後編に続く)