更正と更生 [言葉]
2010年ももうあと3週間ですね。
今年も景気はパッとしませんでした。
「○○が会社更正法の適用を申請」
今年もこういうニュースの見出しを目にしましたが、
聡明なあなたは、
おや?漢字が間違っているぞ、と思いますよね。
そうです。
「更正」は税金の申告額を間違えたり、ごまかしたりしたとき、
金額を是正する意味で使われます。
会社の経営が破たんしたときに適用するのは「会社更生法」です。
では、「更生」の意味を国語辞典で引いてみましょう。
① 生き返ること、よみがえること、蘇生
別の意味としては、
② 精神的、社会的、物質的に立ち直ること、
③ 好ましくない生活態度が改まること
とあります。
会社更生法の「更生」の意味は②です。
先日、殺人事件の裁判員裁判で、犯人の少年に対し、
「更生の可能性が著しく低い」
として、死刑判決が出たケースがありました。
この場合の更生は、上の③の意味だ
というのよく分かりますが、何となく違和感があります。
私の”漢覚”では、
更生してほしいのは亡くなられた被害者であって、
犯人は「更生」ではなくむしろ「更正」ではないのか
過ちを正すのだから、「更正」でいいのではないのかと。
その方が実際の意味に近いような気がします。
それにしても、この「更生」の使われ方
加害者目線なんですよねぇ。
この辺りも、違和感の原因かもしれません。
世に、「その漢字は間違っている」 と指摘する人は多いけれど、
自分の指摘が真に正しいのか、
たまには疑ってみる必要があるのかなぁ
とか、グダグダ書いたこの記事も「こうせい」しなきゃ。。。