続・広島の川 [ラヂオ]
3年前、山陽新幹線で広島を通過しながら、
「広島の川」という中山千夏さんの歌を思い出した、
という記事を書きました。
「広島の川」
http://cliff-pinder.blog.so-net.ne.jp/2006-05-13
先日、この記事のコメントで、
この歌が新録音で、昨年の夏
CDで発売されていると教えていただきました。
早速買って聴いてみました。
感想。
70年代に聴いた「広島の川」とほとんど違和感がない。
それもそのはず、
千夏さんの歌のバックはピアノの伴奏のみ。
弾いているのも、当時と同じ佐藤允彦さん。
1974年頃、TBSラジオで「允彦・千夏のあなたまかせ」
という深夜番組がありました。
http://cliff-pinder.blog.so-net.ne.jp/2005-07-25
この番組の人気コーナー、「今月の歌」は、
佐藤さんのピアノをバックに千夏さんが歌うだけの
シンプルなものでした。
それだけに、
「あなたまかせ」で聴いた頃の感動が蘇ってきます。
ところで、
この「広島の川」は、原爆をテーマにした歌です。
朝の満ち潮にゃねぇ 昼の引き潮にゃねぇ
ピカドンの恨みが 流れとるんじゃ
広島弁で、広島を流れる6つの川を教えるこの詞は、
イラストレーターの山下勇三さんの手によるものです。
千夏さんご自身の解説によれば、
当時「方言の歌」を歌を作ろうと思い、自身で熊本弁の詞を書き、
広島弁を山下勇三さんにお願いした。
普段明るい山下さんのことだから、
コミカルな詞が出来てくるものと思い込んでいたら
「見事に裏切られた。」
とあります。
その山下さんは、昨年1月に亡くなられ、
同じ年の3月に開かれたお別れ会では、
千夏さんが、佐藤さんのピアノ伴奏でこの曲を歌ったそうです。
歌が作られてから35年、
山下さんのように、戦争を繰り返してはならないと願う
昭和の語りべ、戦争の生き証人たちが、
毎年去っていきます。
それがどういうことなのか。
できるだけ多くの人がこの歌を聴き、
その意味を考える必要があるのではないか。
そんな事を思いました。