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みんなのうた3★ミドリカワ書房 [音楽]

9月発売のミドリカワ書房の最新アルバム、
みんなのうた3」を聴きました。

minnanouta3.jpg ミドリカワ書房こと緑川伸一は、
「現代日本の社会現象」をテーマに歌っている
異色のシンガーです。

過去のアルバムでは、美容整形、離婚、万引き、死刑囚の手紙などを
取り上げていましたが、
今回も、
恩師と不倫関係の女子大生、ストーカー、
外国人労働者、ソープ嬢、子供がいじめにあった父親・・・

書きあげていくと、知らない人は聴く前に後ずさりしてしまいますね。

しかし、こういう一歩間違えると危険な内容となる詞を、
軽快なメロディーに乗せ、
毒をうまく昇華させてしまうところはさすがです。

私のお気に入りは、
グループサウンズをオマージュした、「君と今夜こそ」。

エレキの若大将が、健康的イメージが台無しにされる
と怒るんじゃないだろうかと、余計な心配してしまいます。

ホテルへ行きたくて仕方がないスケベな男心の歌ですが、
懐かしいエレキ・サウンドに加え、
間奏で「ホテル・カリフォルニア」のメロディーを使うなど、
その遊び心にニヤリとさせられてしまいました。

かと思えば、仕事で鬱になりそうな
サラリーマン(?)をテーマにした「頑張るな」や、
東京に出ていく一人娘を心配する父親の心情
を歌った「春よ来るな」は、
壺にはまって泣いてしまう人もいるんじゃないでしょうかね。

妻の連れ子を殺した男の独白の歌。
「おめえだよ」は、その歌のタイトルについて、
子供たちで議論させたらいい。
“教育的”な歌にできるんじゃないでしょうかね。
(ちょっと言い過ぎかな?)

時々見せる彼の醒めた視線にはドキリとさせられます。

ミドリカワ書房の作品は、
一緒に収録されている茂木淳一の一人芝居も含め、
全体を一つの短編集として捉えるべきでしょう。

一曲だけや、断片的に聞くのでは、
正しい評価ができないように思います。

彼がパーソナリティーのラジオ番組でもあれば、
もう少し彼の世界が世間に浸透するのでしょうが、
メディアがリスクテイクしない姿勢のままでは、
多くの人に認知されないような気がします。

私はいいと思うんですがねェ。

スペースシャワーTVなど見れない、
ネットにも馴染みがない中高年に、
彼の歌が届かないのは、勿体ない気がします。

生まれてくるのが30年遅かったかな?


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