明治丸 [タイムスリップ]
明治時代の写真の現場へ行ってみようシリーズ。
このシリーズ、久しぶりだなぁ。
今回、江東区越中島へ行ってきました。
ここには、かつての東京商船学校、
現在の東京海洋大学、海洋工学部のキャンパスがあります。
私は船の航海士や機関士の学校をイメージする
「東京商船大学」という名前の方がなじみがありますが、
2003年に「東京水産大学」と統合。
現在の名前になっています。
そのキャンパス内、芝生の上に古い船が
ひっそりと展示されています。
重要文化財になっている明治丸ですね。
明治丸は、1873年(明治6年)、洋式灯台の測量、資材運搬、
保守管理等の巡視を目的に、日本政府がイギリスに発注した船です。
資料によれば、小笠原領有問題で父島まで示威行動を行ったり、
明治天皇を北海道から横浜まで運んだり、
名前の通り、明治時代に大活躍していた船なんですね。
1896年(明治29年)、明治丸は商船学校に譲渡され、
その後は、係留練習船として使われていました。
写真はその時代のものです。
写真は、越中島と月島を結ぶ相生橋の上から
撮影されたものと思われます。
昔の地図を見ると、係留場所は橋のすぐ東側にありますが、
現在その場所は、堤防で覆われおり、
明治丸が係留していた場所がそのまま陸になったような位置関係です。
東京海洋大学からは、明治丸の向こうに月島の高層ビル群が見えます。
遠くから見ると壮観ですが、
近くへ行くと、昔ながらの路地のすぐ横に無粋に聳え立っています。
月島は、だんだん昭和時代が消えていこうとしている街ですね。
公開されていなかったので、外観だけですが、
機会があったら中を見てみたいと思います。