SSブログ

過去になった未来 [雑感]

先ごろ亡くなられた小松左京さんの代表作の一つが「日本沈没」。

そのパロディーで、
筒井康隆さんの「日本以外全部沈没」という短編があります。

居場所のなくなった世界中のセレブが日本へやってきて、
世界一偉くなった日本人に媚を売るという設定がおかしくて
学生の頃、大笑いしながら読みました。

この小説で、日本以外の陸地が沈没するのが2011年。
今年です。

しかし、今年は大震災による津波被害があったので、
話題にしづらいネタになってしまいました。


こうしたSFの映画や小説で描かれた世界で、
すでに過去になってしまった未来って結構ありますよね。

たとえば、1980年、
人類はすでに、地球防衛組織SHADOを結成していて、
日夜”謎の円盤UFO”と闘っていました。

沈着冷静なストレーカー司令官、勇敢なフォスター大佐、
エリス中尉の3人が、あれから31年経ち、
日曜朝の「ボクらの時代」のような番組に出演し、

「いやあ、あのときの宇宙人にはまいったね」
「いまは沈着冷静なの?」
「年取って怒りっぽくなっちゃった。」
「ところで、エリスはいまでもあみあみのスケスケの服?」
「やだァ、ポール」

みたいな思い出話を語っていても不思議じゃない。

月でモノリスが発見され、
宇宙船ディスカバリー号が木星へ調査に向かったのが1999年。

その年、わが国では
ニッポンの未来はWow Wow Wow Wow と、
モーニング娘。が「LOVE マシーン」で大当たりでした。
ちなみに、東京ではすでに新宿モノリスが出現していました。


天馬博士が交通事故で亡くなった息子トビオをモデルに
鉄腕アトムを誕生させたのが、2003年4月7日

その生まれたばかりの鉄腕アトムの目に、
まず飛び込んできたのは
きっと、テツ&トモの「なんでだろ~」 だったと思います。
え、水道橋博士もいるの?
みたいな。

ネットに、「未来年表」がいろいろアップされていまして、
これらを観ていると、
ドラえもんやロボコップが今うろついていても、
不思議じゃない時代に我々は生きているんですね。

しkし、最近は、楽しい未来が語られなくなりました。

むしろ、繰り返される自然災害のように
「未来になる過去」の方が気になってしまいます。
こういう感慨が出てきてしまうのは
齢をとったせいかもしれません。

社会の中に、
学校の先生、おとうさん、おかあさんが、
子供たちに、10年後はきっとこうなるよ
20年後はこんな楽しいことができるようになるよ
と、笑って語れない雰囲気があるのが淋しいです。

父 : 鉄腕アトムは100万馬力なんだぞ。

息子 : パパ、でもアトムのエネルギーは原子力なんでしょ?
     使用済みの燃料はどう処理するの?

父 : ・・・・・・


もっとも、日本は2006年に沈没しちゃってますけど。。。


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。