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花のささやき [音楽]

メロディーは知っていても、誰が歌っていたかわからない。
こういう歌って結構ありますよね。

この「花のささやき(In Un Fiore)」もそんなナンバーの一つだと思います。

wilma2.jpgオリジナルはイタリアの女性シンガー
ウィルマ・ゴイク(Wilma Goich)です。

ウィルマ・ゴイクは1945年生まれ、
ゴイク(GOICH)という言葉の響きが
イタリア語っぽくないですよね。

調べてみたら、彼女の一家は現在のクロアチアのダルマチア地方の出身だそうで、
今風に表記するなら「ゴイッチ」です。


20世紀最後の30年間、
日本のテレビやラジオから流れる洋楽は、
英語圏のポップスやロック中心でした。

例外はミシェル・ポルナレフくらいかな?

しかし、1960年代までは、
フランス・イタリアなど、ラテン系の歌もメジャーでした。

シルヴィ・バルタンの「アイドルをさがせ」、
ジリオラ・チンクエッティの「雨」、
フランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」 など、

フレンチポップスやカンツォーネに詳しくない普通のオヤジでも、
当時のフランスやイタリアの歌を結構知っています。

しかし、70年代以降は、ポルナレフを除くと
記憶に残っているイタリアやフランスの作品は、
非常に少ないです。
本当は、イ・プーとか、
いいアーティストがたくさん出ているはずなんですけどねぇ。

ネットが普及するまでは、
新しい音楽を知るためのメディアが限られていたし、
そのメディアが発信する情報も偏っていたから
仕方ないでしょう。 

今は世界中の音楽情報が即座に手に入る
いい時代になりました。

ところで、「花のささやき」(In Un Fiore)ですが、
この曲は1966年のサンレモ音楽祭の3位入賞曲です。
このコンテストがきっかけで、
日本でもよく知られるようになりました。

サンレモ音楽祭は、イタリアのサンレモという
人口5万人ほどの町で、1955年から開かれている音楽祭です。
途中、開催されない年もありましたが、
今も続いています。

sanremo2010

かつては、日本からも伊東ゆかりや岸洋子などが出場しました。
彼女らが入賞すると、「快挙!」という感じで、
注目度の高い音楽祭でした。


サンレモ2.jpgちなみにサンレモって、
どこにあるか知ってました?

← こちら

フランス国境の近く、
地中海に面したリゾート地です。

サンレモ音楽祭では当時、
一つの楽曲を2組のアーティストが歌う
仕組みになっていたそうです。

楽曲を中心に審査しようという主旨だったのでしょうか?

そんなわけで、この「花のささやき」も、ウィルマだけではなく、
フランスの レ・サーフ(Les Surfs)というボーカルグループも歌いました。

レ・サーフは、マダガスカル出身の兄弟4人姉妹2人の6人組。

平均身長148cmの小柄なグループで、かわいらしいということで、
当時フランスで大変人気があったようです。

le surfs2.jpgサンレモ音楽祭にも何度か出場、
71年に解散し、
その後も別々に音楽活動を続けましたが、
メンバーのうち二人はすでに故人になっています。

主に英語圏のヒット曲を
フランス語でカヴァーしていたので、
これといったオリジナルヒットがないのだそうです。


確かに検索すると、ダスティ・スプリングフィールドの
「二人だけのデート」(ベイシティローラーズも歌っていましたね)や、
その他アメリカのヒット曲のフランス語版が出てきます。

Les Surfs - Present Tu Peux T'en Aller


「花のささやき」は、日本では
ザ・ピーナッツ や 伊東ゆかり によってカヴァーされています。

そういえば、何となく「シャボン玉ホリデー」
の番組の中で歌われていたような気がします。

他にも、
アグネスチャン 、 ザ・リリーズ などが歌っています。

歌いだしは切なく、サビは力強く、
健気な日本女性の姿と可憐な花が
オーバーラップする名曲・・・・

という感覚は完全にオヤジですかね?

でも私、この歌大好きなんです。

今も、ときどきラジオから聴こえてくると、
手を休めて聞き入ってしまいます。


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コメント 8

tsukikumo

60年代のサンレモはその後の日本の歌謡曲も多大な影響を与えましたね。特に昭和40年代歌謡ポップスや70年代アドルポップには著しいです。伊東ゆかりの「青空のゆくえ」なんかはモロそのまんまって感じですか(笑)80年代に世界的ブームになるユーロビートは日本じゃ60年代末には既に定着していたのです。

>レ・サーフ
全然知りませんでした。マダガスカルは稲作するアジア系が原住民って高校時代に習ったのを思い出してしまいました。身長が低いのはそのせいなんですね。
by tsukikumo (2010-07-25 11:26) 

kanican

日本でも東京音楽祭とか世界歌謡祭などがあって、「ナオミの夢」のように
イスラエルの歌が突然ヒットしたりしたんですが、そういうこともなくなりましたね。
しかしレ・サーフはかわいらしいです!
大人になったリリーズもYouTubeでついでに見てしまいました。
なかなかいいです。
by kanican (2010-07-25 22:38) 

けむけむ

こんばんは おひさですm(__)m

「花のささやき」、スティーブ・マックィーンの映画「華麗なる賭け」のテーマ曲の「風のささやき」と勘違いしました(;一_一)

最近、お見かけしなかったので心配してました、今年の夏はなんだか去年より蒸し暑いように思います、お体ご自愛くださいm(__)m
by けむけむ (2010-07-26 01:49) 

Cliff

☆tsukikumoさん、こんばんは

60年代後半の歌謡曲は、アメリカとイギリスの
音楽コピーだけでなく、
結構フランス、イギリスの影響もありますよねぇ。
たしかに伊東ゆかりの曲はユーロピアンでした。
「陽はまた昇る」などもサンレモぽいですね。

>レサーフ
マダガスカルは仏領だったので、
フランスで活躍ということになったのでしょうが、
何となく気になってます。
by Cliff (2010-07-27 00:08) 

Cliff

☆kanicanさん、こんばんは

以前、各国のNO1人気歌手が共演する
ワールドミュージックアワードという
音楽祭の中継をよく観ましたが、
ベルギーもロシアもスイスも
ほとんどアメリカの音楽の模倣でしたね。
ただ、フランスとアラブの国だけちょっと違っていました。
確かに、80年代以降はどこ国の流行歌も
大差がなくなってしまったような気がします。

「ヘドバとダビデ」「シュキ&アビバ」とか懐かしいです。
by Cliff (2010-07-27 00:15) 

Cliff

☆けむけむさん、こんばんは

ご心配をおかけしてすいません。m(__)m
環境が変わり、7月から忙しくなってしまいまして、
更新する気力が出ませんでした。
ブログを続けるって、パワーが必要ですね。^^
元気ですのでご安心ください。

>「風のささやき」と勘違いしました
「天使のささやき」「若葉のささやき」「恋のささやき」など
「○○のささやき」というタイトルの歌は結構あるんですね。
こんど、集めてみようかと思ってますよ。
by Cliff (2010-07-27 00:19) 

酔いどれ天使

こんばんは・・天使のささくれです。
最近、午前11時過ぎにTBSラジオで大沢悠里さんがいろんな懐かしい曲をかけています。映画音楽とかジャズとか・・・みんな聞いたことがあるな、と思う曲ばかりでなんだか懐かしい。かけた曲は番組のHPに載せてくれますので確認もできます。
http://tbsradio.cocolog-nifty.com/yuyu/

この曲もなつかしいですね。いつ聞いたのかも思い出せないけどラジオではよく聞こえてくる曲です。
マクビティビスケットみたいだけど。
by 酔いどれ天使 (2010-07-29 00:43) 

Cliff

☆酔いどれ天使さん、こんにちは

昼間仕事をしているので、
あまり悠里さんの番組を聴く機会がないですが、
長いですねぇ。

HPの選曲は、ロック全盛時代より前、
だいたい団塊の世代あたりを意識しているようですね。
「花のささやき」は深夜放送でよくオンエアされた記憶があります。
こういう、昔に真夜中に身体に染み込んだメロディーって結構ありますよね。^^
by Cliff (2010-07-30 08:03) 

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