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技術はあるが・・・ [雑感]

バンクーバー冬季五輪、
どうやら日本は金メダル0のまま閉幕しそうです。

開幕前はメダル獲得目標10個とか言っていましたね。
銀3、銅2 の計5個、という結果をどうとらえるか、
いろいろな意見があるのでしょう。

橋本聖子団長は当初、「複数のメダル」との表現にとどめ、
厳しい見方をしていたようです。
それが、マスコミに言葉を切り取られ、
いつしか目標10個という数字が走ってしまいました。

マスコミによって過剰な期待感が醸成されたので、
日本選手団がすごく不振のように見えますが、
今の立ち位置を冷静に評価すれば、
選手はよくやったんじゃないですか?

ただ、韓国、中国という比較してしまう対象があるので 、
メダル数で差をつけられてくやしい!
という感情が湧きあがってきます。


こういう結果を踏まえ、
JOC(になるのかな?)は、4年後のソチ大会を、
どういう戦略で臨むことになるのでしょうか?

そもそも、過去に戦略らしきものがあったのかなぁ?

たとえば、
選手が最高のパフォーマンスを見せてくれれば国民は満足。
メダルはその結果としてついてくる。
したがって、あくまで高度の技術追求あるのみ、
という理想主義で行くのか。

それとも、
競技である以上、より多くのメダルを獲得しなければならない。
少なくとも、中国、韓国より多くの選手を表彰台に立たせたい。
そのために、ありとあらゆる戦術を検討する
という現実主義なのか。

どちらの戦略ですか?

ここ3大会は、前者のスタンスで臨んでいるように思えてしまいます。
もしも後者なら、今のままじゃダメですよね。

中国や韓国の選手にあって、日本の選手に欠けているものは?
「国家という重いものを背負わない」から
とかいうお爺さんの発言は無視するとして、
よく「ハングリー精神」が足りないと、「精神面」を指摘する人がいます。
本当にそうでしょうか?

私がオリンピックを見て感じるのは、
日本は技術を磨くことばかり考えているのではないかということです。

もちろん、高い技術がなければトップ選手として戦えないでしょう。
しかし、競技だから、決められたルールの中で最高の得点を出すため、
ルールを隅から隅まで利用する理解力、
それを生み出す集中力、
採点競技であれば、アピール力(営業力)など
こういう総合的な「競争力」が必要だと思います。

確かに、ハングリー精神がその力を生み出すでしょう。
でも、アメリカは?デンマークは?ハングリーですか?

日本の場合、単にそのための戦術が不十分だということなのではないか
そういう気がしてなりません。

解説で、「日本選手は技術では負けていません」 とか
選手からも、「順位は関係ない。自分の演技をするだけです」 とか
そういう声を聴くんですけど、
なんとなく、「いいものを作れば売れる」 と言って、
営業にろくに力を入れない企業経営者とイメージがダブるんですよね。

これって、ハングリー精神の欠如ではなくて、
やるべきことが足りないだけのような気がしています。

韓国や中国は、自分たちの長所を生かし、
メダルを獲れる競技は何か、徹底的に研究した跡がみえますよね。
過去、日本がメダルを獲得した競技に狙いをつけている感さえあります。
一方の日本はどうかといえば、相変わらず観念的です。

日本は五輪の競泳やジャンプ競技で、
「技術」で欧米諸国を打ち負かした成功体験があります。

だから、技術で克服したいという想いが強くなるのかもしれません。
あと、日本人の集団意識として、
がり勉君の点取り虫への嫌悪感みたいなものもあるかもしれません。
ガツガツしたくない、みたいな。

しかし、こういう価値観を引きずっていては、
オリンピックで、世界はおろか韓国にも勝てないのではないかと思います。

それから、
期待されたカーリング女子。
結局トリノの7位を下回りました。

この競技でも、「技術では負けていない」
という話がずいぶん聴こえました。

リーグ戦の初め2試合、後半の連敗した試合では、
勝負所でショットが決まりませんでした。
氷の状態の変化がうまく掴めなかったのが敗因だと聴いています。

「経験不足」を要因に上げていましたが、
「経験」が少ないと勝てないんでしょうかねぇ?

要は、予想外の展開になったときの「対応力」が備わっていないということですよね?
スポンサーとか、資金の問題とかあるでしょうが、
何か方法はなかったのでしょうか。

しかし、彼女たちを責められませんよ。
日本が世界に誇る巨大自動車メーカーでさえ、
「対応力」が乏しいのですから。

などなど、長々、書いてしまいましたが、

毎度、毎度のことで、
いつまで、「技術」はあるが、「ハングリー精神の欠如」 「経験不足」 
と言い続けるんでしょうかねぇ。

高い得点を生み出すための「競争力」や、
事態が変化したときのための「対応力」はどうすれば身につくのか。

日本の社会に問題があるととらえる人もいますが、
むしろ人為的な、戦略や戦術で解決できる問題だと思うんですけどねぇ。  


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ERカーター

意義なし!
サッカーのどこかの代表チームにも
あてはまるような気が。。。。。。。。
by ERカーター (2010-02-27 00:00) 

Cliff

☆ERカーターさん、ありがとうございます。

そうなんですよ。
サッカー日本代表も同じ課題を抱えていますよね。
残り時間が少なくなっても、
目の前の一点を獲らなければならないという現実に、
なぜがむしゃらになれないのか。

日本人に染み込んだ、共通意識みたいなものがネックだとしたら、
監督が日本人ということ自体が弱点なのではないか、
とか考えてしまいます。
by Cliff (2010-02-27 00:32) 

がま親分

フィギュアに関しては男女ともに全員入賞ですから、たいしたものだと思いますけど・・・。
それ以外の競技は・・・どうなんでしょうねぇ、ヨーロッパが強いのは競技人口が多いから? 日本と比べてどうなのかな?
裾野が広ければ強くなる? ハングリーさも必要だとは思いますが、結局、よくわかりません。
まあ、私としては、メダル数にはあまり興味が・・・。(汗)
by がま親分 (2010-02-27 01:14) 

Cliff

☆がま親分さん、こんにちは

フィギュアは史上最強メンバーでしたね。
全員入賞は快挙ですよ。

>ヨーロッパが強いのは
競技の環境が整っているからでしょうね。日本の場合は、競技者まかせで、先に結果を出さないとお金が出てこない。
他の国は結果を出せそうな競技に、資源を投入する。この違いでしょうか?
戦略がないということではないかと思います。
現場は大変でしょうね。

こういう現状を考えれば、
冬季オリンピックでは選手個人のパフォーマンスだけに注目し、
メダル云々にこだわらない。
これが日本人の正しい観戦方法かな、とか考えてしまいます。
メダル数に興味がわかないのはうらやましいですよ。^^
by Cliff (2010-02-27 11:12) 

ほうとうむすこ

男女6選手全員入賞もさることながら、男子が3選手出場したことも偉業なんだよね>フィギュア。
ソチではどーなるかわからんし、このあたりをどのメディアも触れないというのが何ともですなぁ。

どの競技でもいえることだけど、お偉いさんと現場の温度差が結果に現れるんじゃないかな。
かといって袖の下まがいのアピール力でねじ伏せるのもどーかと思ったり。
いずれにせよ団結して目指すものを明確にしないとね。
実力相応に小さなことからコツコツと、でもいいと思いますよ。

by ほうとうむすこ (2010-02-27 14:05) 

tsukikumo

実力が発揮できず悔し涙の選手には誠にお気の毒なのですが私はこれでよかったと思っています。というのは、マスコミ報道には、もっと成績が上ならテレビの視聴率も上がったし新聞売り上げも伸びたはずだ、という手前勝手な理屈が見え隠れするからです。
K選手の服装問題も本来は些細なことであるべきなのに、大人気ないマスコミが騒ぐからこそ国会にまで取り上げられるような大問題にまでなってしまったと感じています。
by tsukikumo (2010-02-28 02:18) 

Cliff

☆ほうとうむすこさん

>このあたりをどのメディアも触れない
テレビは中継以外はあまり見ないようにしていますが、
メダリスト以外の取り扱いはひどいもんですね。
視聴率をどう稼ぐか頭をひねっているのはわかるのですが、
こちらがどうでもいいと思っている情報が多すぎますよね。

確かに、袖の下まがいのアピール力は感心しないけど、
民間の力では限界があるし、たしかに
「小さなことからコツコツ」やるしかないのかもしれませんね。
by Cliff (2010-02-28 10:32) 

Cliff

☆tsukikumoさん

実力が発揮できなかったのではなく、実力通りの結果だったと考えるべきなのでしょう。それは選手のではなく、国も含めた総合的な今の実力です。

>マスコミ報道
おっしゃる通りでしょうね。オリンピックは儲けるチャンスですから、選手の成績が収益に一番大きく影響するのはマスコミかもしれませんね。
最近は私もネットの方が主体になっているし、赤字になってざまあみろ、一度目線を変えて自分たちの業界を見た方がいいと思います。

>K選手の服装問題
これは私もマスコミの責任だと思います。
ただ、日本のこれまでの慣習を守るべきという意識と、価値観の多様性を理解しなければいけないという意識と、二つの間で揺らぎが発生して、議論がごちゃごちゃになっていましたね。
彼自身は、自分の納得できる試合したいと勝負に出て転んだわけですが、
考え方はすごく日本人的で、なんでここだけ日本人?と思いました。
by Cliff (2010-02-28 10:55) 

dema


日本人選手が、技術はあるのに負けるということを考えると、頭に浮かぶのは、日韓ワールドカップでのトルコ戦です。負けているのに最後まで淡々と試合をすすめている感じ・・・これは何なんだろうと首をかしげてしまいました。
ぎりぎりのところで持っている力以上の力を発揮するなにか、今の日本に欠けているもの、すべてのスポーツで共通するものかもしれません。
やはり、今のサッカーの代表にも欠けていますね。
レベルはだいぶ違うけど、フランス代表がそれに似てるかも。
私の考えでは、おそらくそれは民族性、国民性に根ざしたなにかなのだろうと思います。
それは何なのだろう
それがとても知りたいのですが・・・

by dema (2010-02-28 22:34) 

Cliff

☆demaさん、こんばんは^^

>日韓ワールドカップトルコ戦
劇場効果の薄いデーゲーム、
相手チームに威圧感を与えられない緩い傾斜のスタジアム
いろいろ、開催国として間抜けな環境で試合してしまったいうこともありましたが、あの歯がゆい戦いになった一番の原因は、自分たちの決めごとがうまくいかなくなった、あるいは変わったときに、自分たちで修正する「対応能力」がなかったからだと思います。

トルシエは日本人選手は精神的に自立できていないということを前提に、戦術中心に戦った。
ジーコは自立を前提に選手を集めたが戦術が足りなかった。
オシムはその両方をうまくバランスよく強化してくれるように思えたんですがダウン。
岡田さんは日本人だから、知らず知らず、自立を意識している選手も協調を優先するようになっているような気がします。
こういうムードが、シュートを躊躇させてしまうのかもしれません。
わからないですけど。

フランス代表も詰めが甘いですね。フランスの場合は、芸術性とか結果以外のものを意識してしまうのかもしれません。
選手の質は問題ないですもんね。

ただ、負けている状態で、ロスタイムに後ろでボールを回してしまう原因として考えられるのは、肉体的精神的に疲弊させられた自分たちの戦術的敗北か、単純に体力がないか、どちらかですよね。
これって単に弱いってことでは??

by Cliff (2010-02-28 23:57) 

南 立夫

聴いた話ですけど、韓国では、技術論より精神論、根性論がいまだ優位で、ショートトラックのスケートの選手が岩山を登るトレーニングなどをするそうです。日本にも精神論が中心の時代があり、ある程度の成果をだしたのですが、今は、そこから脱却したいと思っているが、行きつく先が解らなくなっている状態に私には映ります。
by 南 立夫 (2010-03-01 06:10) 

酔いどれ天使

技術はあっても失敗したらそれまでなんだから、もっとおおらかに見守ってもいいと思うんですよね。
フィギュアで4回転いっくらでも回れるとしたって、当日こけちゃったら誰も評価しない。だけど「いつも見てるから回れるのは知ってるからね。」って認めてあげられる人でありたいですなあ。あたしが認めたって慰められないだろうけどねえ。そう言うときこそそうありたいです。
「金メダルじゃなけりゃダメなんですか?」って言っちゃえ!頑張っている人を支援したり応援したりお金を出してあげてもいいと思う。でもだからって責任をとれ!って押しつけたらいかんでしょう?勿論派遣されたんだ、と言う自覚も欲しいけどね。ダメだった人のこともあったかく拍手で迎えられる国民でありたいなあ。少なくとも我々より「できる」人たちなんだものなあ。
by 酔いどれ天使 (2010-03-01 13:06) 

Cliff

☆南さん、こんばんは^^

確かに、日本が相手だとものすごい執念で立ち向かってくるし、
精神力に自信を持っている韓国ですが、
今はそれだけではないんじゃないでしょうかね。

日本の場合、東京五輪の女子バレー以後、
スポコンものが流行りましたが、
それらは「自分」のために頑張れ!というコンセプトだったように思います。
だからつらい。

でも、本当は自分のためではなく、
誰かのために頑張る方が力が出るんですよね。
亡くなった家族や友人のため、というのは究極の例ですが、
理想的なのは、自分の好きな人たちのため、
強い気持ちを持つということではないかと思います。

韓国のような「この恨み晴らさで・・」の
マイナスパワーは日本人には出ませんからね。

行きつく先を見えなくしているのは、
国のために戦えとか偉そうにいう老人や、
足を引っ張るマスコミじゃないでしょうかね。
by Cliff (2010-03-01 20:25) 

Cliff

☆酔いどれ天使さん、こんばんは^^

冬季オリンピック場合、雪や氷でつるつるすべるから、
そもそも転倒などの「事故」が起きやすい大会ですよね。

だから、最後は神様を味方につけないと勝てないし、
失敗も競技の要素と考えた方がいいのでしょう。

「もっとおおらかに見守る」ためには、
こういう心構えが必要なんですよね。

>ダメだった人のこともあったかく拍手で迎えられる国民

頑張った選手を、結果が出なかったからといって
責めるのはすじ違いだと思うし、

オリンピックのような大会はいわば特番のドラマだから
終わったら温かく拍手で迎えるべきですよね。

ただ、なぜかサッカーだけは別。
ブーイングは愛情だ!
って、傲慢ですよね。(笑)

by Cliff (2010-03-01 20:52) 

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