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芝區を歩く① 金刀比羅宮から愛宕山 [タイムスリップ]

明治45年発行の「東京名勝図絵」という写真集の
撮影された現場へ行ってみようという
「タイムスリップ 定点比較」シリーズをやってます。

この写真集を見ていると、
現在の港区の一部にあたる芝區の写真が多いんです。

そこで、その芝區を北から南へに縦断しながら、
写真の現場を歩いてみました。

第一回は、金刀比羅宮から愛宕山。 

現在の港区は、芝區、赤坂區、麻布區が統合したものです。
そのうち、芝區は北は虎の門から南は品川までの南北に細長い区でした。

明治時代は東京15区。
そのうち三区が現在の港区に含まれます。
古くから町として開けていたんですね。

虎の門の金刀比羅宮です。
毎月10日には参拝者で大賑わいだったそうです。

20090209 kotohiraguu.jpg

 

2009020703.jpg

同じアングルの写真は、隣のビルの二階から撮影しないと駄目でした。。

金刀比羅宮は、大物主神(おおものぬしのかみ)、朱徳天皇(すとくてんのう)を祀った神社です。

私はこれまで一度もお参りしたことがありませんでした。
この日は、休日で閑散としていましたが、普段は霞が関に近く、
開運祈願の参拝者訪も多いようですね。

虎の門 金刀比羅宮のウェブサイトに、当社の歴史についての解説があります。

万治三年(1660年)に讃岐国丸亀藩主であった京極高和が、その藩領内である象頭山に鎮座する、金刀比羅宮(本宮)の御分霊を当時藩邸があった芝・三田の地に勧請し、延宝七年(1679年)、京極高豊の代に現在の虎ノ門(江戸城の裏鬼門にあたる)に遷座致しました。(中略)
 当時は“金毘羅大権現”と称されていましたが、明治二年(1869年)、神仏分離の神祇官の沙汰により事比羅神社に、明治二十二年(1889年)には金刀比羅宮に社号を改称し現在に至ります。
 ご神徳は海上守護、大漁満足は勿論のこと、五穀豊穣・殖産興業・招福除災の神として広く庶民に尊信され、東国名社の一つとして知られています。

しかし、この由緒ある神社も高層ビルの真下。

神様たちはどう思っているんでしょうかね。

2009020705.jpg 

桜田通りを南へ歩き、現在の地名で、虎の門から愛宕へ向かいます。

虎の門三丁目から愛宕山へ向かうあたりは、
映画「三丁目の夕日」の舞台のイメージとなった場所の一つと聞いています。

しかし、現在では昭和の面影を残す町は完全に壊滅状態です。

地上げ途中の土地と、高層ビルばかりが目につきます。

 

2009020707.jpg 2009020706s.jpg

愛宕山は都心にある独立した小山です。

標高25.7mだそうです。

関東平野といいますが、東京はデコボコした土地にある大都会です。

2009020713.jpg


有名な愛宕神社へと上がる男坂。

坂じゃなくて、階段じゃん! 

と言いたくなりますが、東京には〇〇坂と呼ばれる階段がたくさんあります。

2009020713.5.jpg


こちらは女坂。

2009020710.jpg

写真の状態が悪いのですが、明治末期の男坂です。
一生懸命、登っている人がいますよ。

    20090209 atago.jpg

   2009020712.jpg

階段の上から。

子どものころ、急なこの階段を上るのは結構怖かったです。

2009020709.jpg


江戸時代、愛宕山はお花見の名所であると同時に、
江戸の町を一望できる絶景ポイントでした。

愛宕山の写真では、明治から幕末に遡り、
フェリックス・ベアトの写真が有名です。

その撮影された場所から比較してみたいのですが、edo.jpg

現在は木が生い茂りよく見えません。

ベアトの写真では、左から右へ斜めに延びるまっすぐな道が目だちます。

大名屋敷の間を走る、薬師小路と呼ばれた道だと思いますが、
現在、博物館の前庭から降りるエレベーターから正面に見えるこの道は、
その一本南の道でしょう。

2009020716.jpg

ただ、いずれにしても、今は愛宕山が高層ビルに囲まれつつあります。

江戸時代の眺望を望むのは無理な相談でしょう。

愛宕山の西側にも、新たに放送博物館を見下ろすように
高層マンションが顔を出しました。

文化って一体何なんだろう。

愛宕山へ来るといつも考えさせられてしまいます。

2009020714s.jpg 2009020715s.jpg


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コメント 6

人間魚雷

この辺は第○○森ビルが多い印象があります。
男坂・女坂は結構あるみたいですね(二つで)
赤坂山王神社もそうだったような・・・。
by 人間魚雷 (2009-02-08 19:41) 

Cliff

☆人間魚雷さん

神社には男坂と女坂と参道を分けているところがよくありますね。
でも、東京ではここの男坂が一番傾斜がきついと思います。
by Cliff (2009-02-08 20:09) 

tsukikumo

お宮さんの画像だけなら妙に西宮~神戸っぽいですね。
いつも目にしていると言うか、他人?の空似と言うか、違和感が全然ないところが不思議です。
by tsukikumo (2009-02-09 00:22) 

酔いどれ天使

この前、テレビみてたらキムタクがかけ上ってましたよね<東京の坂
タモリさんの坂道研究本は即買いした人が我が家にいます!
by 酔いどれ天使 (2009-02-09 00:50) 

Cliff

☆tsukikumoさん

なるほど、西宮~神戸と似ているという感覚はありませんでした。

そういえば、東京の人間は大阪より神戸の方がなじみやすいという話を聞いたことがあります。
主に見栄っ張りの気質のことを言っていたと記憶していますが、坂のある地形も意外に影響するかもしれませんね。


by Cliff (2009-02-09 23:11) 

Cliff

☆酔いどれ天使さん

東京ってあちこちに丘があって、本当にデコボコしている。
大阪や名古屋へ行くと平らだなあと思います。
タモリの言うことを実感しますね。
ただ都心では、最近高層ビルが増え、その高低差が分からなくなりつつあります。
>坂道研究本
書店へ行くと、坂の本を多く見かけますね。
私は階段を集めた本を持っています。
こちらもお薦めですよ。
by Cliff (2009-02-09 23:26) 

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