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1969 と 夜明けのスキャット [ラヂオ]

由紀さおりさんのピンク・マルティーニとのコラボアルバム“1969”が海外で大人気だそうです。

1969.jpgアルバムのコンセプトは1969年の日本 
ラジオから流れていたメロディー。

いやあ、癒されるアルバムですねぇ。
アレンジがおしゃれで、それが由紀さんの透き通った声とよくマッチしていて、聴いていて心地よいです。

アルバムには、由紀さおりさん自身の「夜明けのスキャット」のほか、
石田あゆみ「ブルーライトヨコハマ」、黛ジュン「夕月」など、
1969年の日本の大ヒット曲が収録されています。

ほかにも 「私もあなたと泣いていい?」「わすれたいのに」とか
ちょっと馴染みのない曲も収録されています。

 
「私もあなたと泣いていい?」

オリジナルは、兼田みえ子さん。

兼田さんは、文化放送の深夜番組「走れ!歌謡曲」の人気パーソナリティーでした。
愛称はミコタン。
文化放送といえば、レモンちゃんこと落合恵子さんが一番人気でしたが、
兼田さんも人気がありました。
今、落合さんにレモンちゃんと言ったら張り倒されそうですけど・・・
そんな時代もありました。

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「わすれたいのに」

こちらは、モコ・ビーバー・オリーブの歌。
モコ・ビーバー・オリーブを、私は略してMBOと呼んでいますが、
ニッポン放送「ザ・パンチパンチパンチ」のMCでしたね、懐かしいです。
当時の男子中学生あこがれのお姉さまたち。

今でいうならSDN48あたりのポジションになるのかな?
ちょっとエロくて、A級じゃないB級の良さがあって、
私も日付が変わる前によく聴いていました。

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由紀さんの「夜明けのスキャット」も、もとは「夜のバラード」という番組のテーマ曲。
こちらはTBSラジオ、夜10時台の放送でした。

そんなわけで、アルバムのこれらの歌を聴いていると、
たしかに、1969年ころのラジオを思い出します。

ただ、なぜこれが海外で受けたのでしょうかね??
不思議です。

1969年といえば、何といってもアポロ11号の月面着陸成功。
人類が初めて月に降り立った年です。

そのほかにも大きな節目になった出来事が多かった年という印象です。

アメリカでは、ベトナム戦争が泥沼状態で、
反戦運動が続いていましたね。
日本はどうだったかといえば、安田講堂事件で東大入試が中止、なんてことがありました。

結局、学生運動が既成の権威や価値観に押しつぶされた年だったかな?
このころから、日本人が楽しくやろうよ的現実主義に変わっていったように感じます。

空前の深夜放送ブームでしたが、こうした世の中を背景に、
流行った歌も、「いいじゃないの幸せならば」や、
「悲しみは駆け足でやってくる」「フランシーヌの場合」「雲にのりたい」など、
どちらかといえば暗い内容のものが多かったです。

「夜明けのスキャット」もそう。

1969年の東京の夜はまだ暗く、静かで、
深夜起きていると何か不安な気持ちになって、
ラジオのスイッチをONにする。

そんなときに流れていたのが、「夜明けのスキャット」でした。

だから、テレビのバラエティー番組で、
明るいライトの下で由紀さおりさんが歌う「夜明けのスキャット」には
少し違和感を覚えます。

部屋を少し暗くして、
当時を思い出しながら聴きたい曲です。


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