ミドリカワ書房とミドリブタ [ラヂオ]
最近、ミドリカワ書房の「リンゴガール」のPVにはまっています。
昨年の暮れ、たまたまライブを生で観てから気になるアーティストにはなっていたものの、ちょっとどぎついかなと距離を置いていましたが、この「リンゴガール」は中高年にも受け入れられそうな作品に仕上がっていました。
というかむしろ中高年向きかも。
先日、ミドリブタこと林美雄さんの熱烈なファンの方とお話する機会がありました。
林美雄さんは70年代、TBSラジオの深夜放送「パックインミュージック」の人気パーソナリティー、今年の7月で亡くなってから6年になります。
林さんの”ミドリブタパック”は、タモリやユーミンを世に出したことでも知られていますが、当時日陰者だった日本映画にスポットライトを当て、マイナーな演劇の情報も提供し、現在の日本のカルチャーが出来上がるまでの”触媒”みたいな役割をした番組です。
林さんは現在の日本文化の立役者と言っても過言ではないと思っています。現在活躍する多くのクリエイターの中に彼の番組に影響を受けた人も多いのではないでしょうか。
そこで、仮にこの2008年に「ミドリブタパック」があったら、どんな音楽や映画が紹介されるだろう、今、ハヤシヨシオ的な音楽や映画ってどういうものがあるだろう、そんな話題になりました。
私が思うに、これは二つの視点がありますね。
一つは当時の林さんの年齢、現在の30歳前後の人たちが今は無名だけれど、これは素晴らしい!と先物買いしている作品、アーティスト。
これは私にはわかりません。
もう一つは、ミドリブタパックが放送されていた当時の中高生、
すなわち今の40,50代で、情報収集能力が低下したおじちゃん、おばちゃんたちに、
「今もこういういいものがあるよ」と紹介したい作品、アーティスト。
もしも後者なら、私は断然、ミドリカワ書房をプッシュしますね。
別にミドリブタとミドリカワの”ミドリ”繋がりというわけではありませんが、
冒頭の「リンゴガール」は、70年代、西岡恭蔵の「プカプカ」などが人気だった時代の歌と共通する匂いを感じます。
那智チャコパックの投書を歌にしたような妙な懐かしさもあります。
ミドリカワ書房こと緑川伸一が作る歌のテーマは、DV、離婚、万引き、ひき逃げ、整形手術など、時に重く、とっつきにくいものばかりですが、それだけに中毒性も強いようです。
「恍惚の人」は傑作ですね。身につまされますけど。。。
私の子供の話によれば、ミドリカワ書房は、
スペースシャワーTVの番組で、お馴染みのアーティストの一人だそうです。
でも、おそらく彼の作品のほとんどは、
今の地上波テレビで流れることはないんじゃないでしょうかね。
物議を醸しそうですから。
あえてリスクを犯すようなことはしないでしょう。
それだけにテレビっ子揃いの中高年の目にはなかなか触れないであろう、ということが誠に残念!!
私ももしYouTubeがなかったら、DVDとCDは買っていないでしょう。