蔵前 東京高等工業学校 [タイムスリップ]
今回もしつこく、タイムスリップ定点比較シリーズ行きます。
100年前の東京を写した写真。
その写真が撮影された現場へ行き、タイムスリップ感に浸ろうという
他愛のないことをやっているわけですが、
今回は台東区蔵前です。
写真は、現在の東京工業大学の前身、東京高等工業学校の校舎。
明治末期に正門の前から撮影したものです。
右に堀が見えます。
東京高等工業学校は、明治14年、文部省が創立した東京職工学校に始まり、
変遷しながら明治34年にこの名称に改めらました。
日本の近代化に大きな役割を果たした学校で、
当時は染色、窯業、応用科学、機械、電気、工業図案、建築の各科があったそうです。
「蔵前」は、エリート技術者の代名詞だったと聞いています。
しかし、その後、関東大震災で校舎が倒壊してしまい、
当地での再建を断念し、現在は大岡山へ移転しています。
さて、この写真の場所ですが、
震災の被害がひどかったこともあり、
様相が変わってしまい、本当にわかりづらい。
人文社から出ている、「古地図・現代図で歩く明治大正東京散歩 (古地図ライブラリー)」
という本を参考に、場所を特定すると、
正門があったところは下の丸印のところ。
この場所を今の地図で探すと、
ちょうど現在榊神社のある辺りになります。
現地へ行ってみました。
榊神社の境内に、工業学校の碑がありました。
正門の場所に建てたそうです。
ということは、その正門を右斜めに見ている場所。
この辺りでしょうか?
どうでしょう。全く面影がないですね。
蔵前の蔵は、江戸幕府の米蔵のことですが、、
それらが並んでいた隅田川西岸も、
現在は高校、郵便局、水道局などの敷地になっています。
イエローの蔵前橋も、昭和2年の竣工ということなので、
明治、大正時代は架けられていなかったんですねェ。
変わってしまいました。
隅田川だけが、今も変わらず南へ流れています。
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