皇居周辺 [タイムスリップ]
1912年(明治45年)に発行された
「東京名勝図絵」という写真集の撮影場所を訪ねる、
タイムスリップ定点比較シリーズ
前回は、変化が激しい日比谷を記事にしましたが、
日比谷交差点から歩いて10分ほど
明治の景色がそのまま保存されている場所があります。
そう、皇居です。
以前も記事にした桜田濠は、
皇居の絶景スポットの一つ。
明治時代、濠の向こうには陸軍の参謀本部が見えましたが、
現在は国会議事堂に変わっています。
そのまま顔を右に向けると、
桜田門が見えます。
幕末、この付近で井伊直弼が暗殺されました。
「桜田門外の変」からこの門の名前を
記憶している人が多いのではないでしょうか。
平成25年2月現在、桜田門は修復中でした。
桜田門をくぐり、
東へ歩き、
内堀通りを渡ると、
楠木正成の銅像があります。
鎌倉時代末期、足利尊氏とともに活躍した武士。
尊氏と袂を分かち、南朝のために闘い
最後は尊氏に敗れ自害したと伝えられています。
近年は、歴史的人物の再評価が行われていますが
明治以降、大楠公と呼ばれ、
長く忠臣として崇められている人物です。
背景が大分変わっていますが、
銅像は昔のまま。
さて、次はここです。
そう、二重橋ですね。
現在は濠の手前に玉砂利が敷き詰められ、
クルマが走行できないようになっていますが、
明治時代は馬車が通行できる道があったようです。
人力車や馬車が走った道は
現在、たくさんの外国人観光客が歩いています。
北へ向かってみしょう。
坂下門。
二重橋の北、三日月堀の北端に在り
古は西丸山之御門と云いしを 後今の名に改む
宮中の御門にして、内閣、宮内省等此内にあるを以て
日日大官が出入するもの多し
宮内庁は現在も同じ場所にあります。
庶民には一番縁がない官庁です。
江戸城は1657年、明暦の大火で天守が焼失しています。
以後、現在まで天守閣は再建されず、
復元しようという市民活動があるそうですが、
再建にはいたらず、櫓が3棟残存しているだけです。
上の二重橋の写真にも写っていた伏見櫓に
富士見櫓
そして、坂下門と大手門の間にあるのが
三つ目の桜田巽櫓です。
木々の茂り具合が違いますが、
ここは江戸時代の人間が現代にタイムスリップしてきても
どこだか分かりそうです。
石垣が白くなっているのは
ペンキが流れてしまったんでしょうかね。
ちょっとカッコ悪いな。
江戸36城門というそうですが、
その半数以上が原型をとどめていません。
ここは、大企業が隣接する場所にある大手門
この門から、日々江戸城で消費される物品が運び込まれたのでしょうね。
普段、私たちは江戸城を
現代という立ち位置から眺めています。
逆に江戸時代からいきなり
2013年の現代にタイムスリップする感覚を味わってみたい。
そういう方は、
一度大手門を訪れてみるといいですよ。
門をくぐり、振り向いてみてください。
コメント 0