ナウル共和国 [読書]
最近、脳のバッテリーが切れている感じがして、もっと本を読まねばと思っています。
で、最近いくつか読んだ中でおもしろかった本がこれ。
これは、全編トリビアですね。普段ニュースでほとんど目にすることのない世界中の小国や、マイナーな地域の情報が満載で、地理が好きな人にはお薦め、ただしちょっとマニアック。
たとえば、ナウル共和国という太平洋に浮かぶ小さな島国があります。昔、学校の地理の時間に教わったナウルは、島から採れるリン鉱石の収入のおかげで、国民は、税金なし、教育費も医療費もすべてタダ。有り余る金を海外で運用しながら、遊んで暮らせる理想の国でした。
ところが、20世紀末に島の唯一の資源であるリン鉱石を掘りつくしてしまい、保険にしていたはずの海外投資が軒並み失敗、その後打つ手がすべて裏目に出て財政が逼迫しているとのこと。
国民は100年も働かないで過してきたから、いまさら身体を動かせない。魚市場を作っても、誰も魚を捕らないから売りに来ない。海に囲まれているというのに。
料理は中華料理屋で外食していたから、まともに自分で料理を作れない。ついには雇っていた外国人労働者には賃金不払いで暴動を起こされ、一台しかない国際電話が壊れて一時は国ごと音信普通になるとか、もうエライことになっているのだそうです。
国家存亡の危機だそうです。
まるで、アメリカのB級コメディー映画を地で行くような話ですが、身体を動かさないでマネーゲームにうつつを抜かす日本人を見ていると人ごとだと笑えません。
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